判断動詞と連結動詞


◾️判断動詞
    判断動詞とは、日本語の「〜である、〜であった」にあたるコピュラ動詞であり、存在を表す。自称(自分や自分の権限の及ぶ範囲のもの〈生命体以外の「私の」と付けることの出来るもの〉について述べる)と他称(自分の権限の及ばないものや一般論について述べる)の2パターンと、それぞれに完了・非完了の対立する相を持ち、都合4種の判断動詞が存在する。更にここに接語を付け加える事によって態・法を表す。尚、判断動詞は本動詞とみなされ、助動詞が直接後ろに連結される。態及び法を表す接語と助動詞が同時に付加される場合の順序は「判断動詞+態の接語+助動詞」または「判断動詞+助動詞+法の接語」であり、態と法のいずれを表すかにより順序が前後するが、接語によって示される態は受動態のみであり、他の態は助動詞によって示される。また、態の接語と法の接語を併用する際には「判断動詞+態+法」の順となる。ただし注意すべきは、yööatušääbes(存在出来させられねばならない)のような例外的な複雑な表現も成立しうること(yööšääatubes[存在させられうるべき]とはニュアンスが若干異なる)、否定の接語naだけは必ず判断動詞に前接されることである。
⚫︎自称の判断動詞
非完了: söö
完了: dää
否定法: nasöö/nadää
受動態: sööšää/dääšää
推量法: söölo/däälo
(受動推量: sööšäälo/dääšäälo)
仮定法: sööva/dääva
命令法: sööyalee/sööyää
禁止法: söönalee/söönää
伝聞法: söötep/däätep
依願法: sööbaace

⚫︎ 他称の判断動詞
非完了: yöö
完了: hää
否定法: nayöö/nahää
受動態: yööšää/hääšää
推量法: yöölo/häälo
仮定法: yööva/hääva
命令法: yööyalee/yööyää
禁止法: yöönalee/yöönää
伝聞法: yöötep/häätep
依願法: yööbaace

※平叙疑問文はそれぞれ”pas”を最後接する。また、疑問詞疑問文では後接しない。
※二人称について尋ねる疑問文の場合は、自称の判断動詞を用いて尋ねる。これは相手が自称で答える事に合わせてである。
※命令のyääと禁止のnääはそれぞれyalee、naleeよりもぞんざいな表現である。yaleeが「しなさい」であるのに対しyääが「しろ」程度の差である。
◾️連結動詞
   連結動詞とは、日本語の「〜する、〜した」に当たり、動詞に後接されてテンスとアスペクトを表す。こちらも自称と他称の2パターンだが、それぞれに非完了非継続相、完了非継続相、非完了継続相、完了継続相と4種の相が存在し、それらを合わせて連結動詞は都合8種となる。そしてこの4種の相を「基幹四相」と呼び、別項で示すあらゆる相表現の基本となる。また同じくこれらに接語を付け加える事によって態と法を表す。接語及び助動詞の接続規則は「本動詞+態の接語+助動詞+連結動詞」または「本動詞+助動詞+連結動詞+法の接語」であり、こちらも態(もっとも受動態のみだが)か法かで順序が変わる。また、態の接語と法の接語を併用する際には「本動詞+態+助動詞+連結動詞+法」となる。態の接語だけが本動詞に直接後接されて助動詞と挟まれ、法の接語は連結動詞に後接される、と覚えれば良いだろう。ただし、受動推量に関してのみ「態+法」の順序となる。判断動詞と同様に否定の接語naだけは連結動詞に前接される。
⚫︎自称の連結動詞
非完了非継続相: -son(する)
完了非継続相: -dan(した)
非完了継続相: -tun(している)
完了継続相: -gandu(してある)
否定法: -nason/ -nadan/ -natun/ -nagandu
受動態: -sonšää/ -danšää/ -tunšää/ -gandušää
推量法: -sonlo/ -danlo/ -tunlo/ -gandulo
(受動推量: -sonšäälo/ -danšäälo/ -tunšäälo/ gandušäälo)
仮定法: -sonva/ -danva/ -tunva/ -ganduva
命令法: -yalee/-yää
禁止法: -nalee/-nää
伝聞法: -sontep/ -dantep/ -tuntep/ -gandutep
依願法: -sonbaace/ -tunbaace/ -gandubaace

⚫︎他称の連結動詞
非完了非継続相: -yon
完了非継続相: -han
非完了継続相: -kun
完了継続相: -čandu
否定法: -nayon/ -nahan/ -nakun/ -načandu
受動態: -yonšää/ -hanšää/ -kunšää/ -čandušää
推量法: -yonlo/ -hanlo/ -kunlo/ -čandulo
(受動推量: -yonšäälo/ -hanšäälo/ -kunšäälo/ -čandušäälo)
仮定法: -yonva/ -hanva/ -kunva/ -čanduva
命令法: -yalee/-yää
禁止法: -nalee/-nää
伝聞法: -yontep/ -hantep/ -kuntep/ -čandutep
依願法: -yonbaace/ -kunbaace/ -čandubaace

※平叙疑問文ではそれぞれ更に”pas”を後接する。また、疑問詞疑問文では後接しない。
※二人称について尋ねる疑問文の場合は、自称の判断動詞を用いて尋ねる。これは相手が自称で答える事に合わせてである。